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中村勇吾の日誌

群衆リファレンス②

群衆リファレンス①の続き。

コンピューターシミュレーションではない、現実空間における群衆たち。これも無限にリファレンスが存在するので、具体的に参照しているものだけ挙げておく。

 


Starling Murmuration. Natomas, Sacramento, California

基本の鳥の群れ。密度の変化や輪郭形状のスムースさに数学的な神秘が宿る。0:25あたりからの異なる密度どうしが重なったり遷移したりする感じが特に美しい。無言だった撮影者が思わず「ファンタスティックやん・・・」 と呟いている。

 


Clip from Swarm (Natures invasions)

魚の群れ。以前挙げたBoids理論でいうと、魚は鳥にくらべてSeparation が短く、Alignmentが強い。あとは大体一緒な感じ。METAFIVEのライブVJ映像の「Submarine」という曲で、GUNTAIをベースに鳥→魚に変換したエンジンを使った思い出がある。

 


Time Lapse of Crowd Control in Tokyo Japan for Comic Market.

人間の群れ。以前述べたような、秩序と無秩序のバランスが絶妙だ。自分的にはこれがベスト・オブ・人間群衆映像。群れといえばコミケだし、コミケといえば群れだ。

 

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後退と向き合う

‪昨日の民進党議員の希望の党への合流?併合?のニュースを見て、人間、一度得たものはなかなか手放せないものなのだな、‬と改めて思った。

 

1万円札をたまたま貰った時の喜びと、逆にどこかに落としてしまった時の残念さを比べると、後者の方がはるかに大きい。人間はプラスよりマイナスに敏感だ。発展や進歩は当然のように甘受する一方で、退化や後退にはより大きな喪失感を感じてしまう心理が人間には内蔵されている。

 

前進よりも、後退とどう向き合うかが、1人の人生の幸福感に大きく関わっているように思う。これから減少・後退していく日本に必要なのは、根拠のない高らかな希望よりも、なんとかかんとかして後退と折り合いをつけながら共に過ごしていくようなしぶとい感性なのではないだろうか。

 

って社説か。

 

 

 

直はしんどい

最近なぜか展覧会の仕事が多い。来年前半に開催される三つの展覧会に関わっていて、色々な打ち合わせに出席したりコンセプト文を書いたりプロジェクターの配置考えたりしている。ただ個人的には、展覧会の開催中に会場を居ることが結構苦手で「自分たちが良かれと思って展示しているものを他人が鑑賞している風景を直(じか)に目の当たりにする」というのになかなかのしんどさを感じ続けている。

 

私にとって展覧会は、開催中の風景をあれこれ想像しながら作ってる最中が最も楽しく、設営が終わった瞬間がクライマックスだ。無事設営完了し、ひとたび展覧会がはじまったら、必要時以外は一度も見に行かないのが常だ。不具合対応などで現地に行ったときも、展示を鑑賞しているお客さんをちら見して「うわほんとに見てるよ」とびびりながら退散する。以前やった「デザインあ展」はメンテナンスの為に何度も会場に足を運んだが、自分たちが作った映像にあわせて子供達が駆けっこしたりジャンプしたりする無垢で可愛らしい姿を見て、これまでにないリアリティに圧され、そそくさと逃げるようにその場から立ち去ったことを覚えている。以前「そんな覚悟で展示に関わるな」と言われたことがあるが、本当にそう思う。

 

ただその一方で、ツイッターやらなんやらで展覧会の感想を読むのはとても面白いのだ。雑誌やテレビなどで取り上げてくれたら普通に嬉しい。褒められたら喜ぶし批判を受けたら真摯に受け止めることが出来る。つまり、直(じか)のフィードバックはしんどくて、間に1メディアぐらい挟んだぐらいが丁度心地よい、ということなのだろう。いわゆるネットコミュニケーションの病理ってやつがこの展覧会における自分の心理に端的に顕れているように思う。

 

ただ、よく説かれるような「リアルな現場体験の大事さ」ってやつのもう一方にある「直のしんどさ」というものを積極的に捉える試みはもっとありえるのではないか、とも思うのだ。安易な現場体験至上主義に囚われない柔軟な展覧会のスタイルはないものだろうか、と考えている。

 

しかし残念ながら今回予定の展覧会企画ではそういう試みは一切無く、またもや直のしんどさと向き合うことになっている。まあがんばろう。大人だし。

 

 

 

群衆リファレンス①

群衆系のリファレンスは大量にあるが、中でも特に印象深かったものを挙げていく。まずはシミュレーション系から。


ピクミン3 紹介映像

群衆を活用したゲーム的なギミックを考えると大抵ピクミンが既にやってたりする。それぐらい色んな要素が詰まっている。やっぱりボス戦でピクミンが大量死するときの「これまでの積み重ねが台無し」感が一番印象に残っている。

 


I've fallen, and I can't get up!

MayaのMiarmyという群衆シミュレーション用のプラグインのデモ。こういう技術デモは基本的な醍醐味がピュアに余すところなく盛り込まれているので下手な作品より全然強度がある。これは自分の中ではマスターピースのひとつ。

これぐらいの物理シミュレーション精度をリアルタイムレンダリングで出せればいいのだが、CPUパワーが追いつくまで少なくともあと5年はかかる感じがする。がんばれムーアの法則

 

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水泳

ひと月ほど前から近所のスポーツクラブで水泳をはじめた。週2~3で毎回平泳ぎで40-60分・1km程度。最初はかなり疲れたが、最近はコツを掴んで快適になってきた。

というのも、少し余裕ができて、泳ぎながら色々な考えごとができるようになったからだ。最近は主にHUMANITYのゲームシナリオを考えている。泳ぎながら中学生みたいなSFストーリーを考えるのはとても楽しい。

散歩と同様、水泳は考えごとに最適だ。さらに水泳自体にとっても良い。なにか考え事をしてると「あと何m!」と頑張って自分のやる気を振り絞る暇がなくなり、あれ?いつの間にか結構泳いでた?という感じで終われる。

泳ぎ終わったあとスポーツクラブのソファでダラっとする時間も良い。今この日記もダラっとしながら書いている。